Story
僕達は、病弱な妹の養生の為に、2ヶ月前に翌斗(よくと)町に引っ越してきた。
以前住んでいた所より、空気も景色もよくて、僕も妹も気に入っていた。
よく晴れた日の夜には、妹と二人で町が一望できる丘の上で星を眺めるのが当たり前になっていた。
あの日がくるまでは・・・
その日は、いつもと変わらなかった。
ただひとつ、
夜空に輝く星が消えてしまった事意外は・・・
すべてではないにしろ、昨日より星の数は目に見えるほど少ない。
そして、満ち欠けをしなくなった月も。
その日を境に、僕の周りでは不思議なことが起こり始める。
そして、妹は突如として決して醒めることのない夢に囚われてしまう。
僕も、同じ夢を見るようになる。
現実世界とは違う別の世界・・・
夢の世界。
夢を見るたび、僕はそこにいた。
そこでは僕は《夢騎士》として世界を救えと言われる。
このままでは現実世界は永遠に朝の来ない、
「永遠の夜」
の世界になってしまうという。
「永遠の夜」とはどんなものかよく分からない。
それに、何の力もない僕に《夢騎士》として戦う・・・
そんなことが僕にできるのだろうか?
そしてまた僕を呼ぶ声が聞こえる・・・
そしてまた同じ夢を見る・・・
だけど、今度は違っていた。
いつも見る夢・・・
それに変わりはないのだけれども
何かが違っていた・・・